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墓地を見下ろす家

 
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中学時代にサッカー部で一緒だった
前田という男がいるんですが

 

彼の家は墓地の真ん前に立っていまして、

というかほぼ同敷地内にあったんですけど

 

 

その家では、

 

 

 

・テレビがひとりでに点く

 

・墓場からうめき声が聞こえて金縛りにあう

 

 

等の数々の怪奇現象が起こる

 

ということでサッカー部員から恐れられていました。

 

 

前田家の怪奇現象を僕たちはある種楽しみにしていたんですけど、

 

 

ある日前田が

 

 

 

霊に殴られる

 

 

 

 

 

という既存の物理法則を覆す事件が起きまして、

 

話を聞いてみると

 

 

部活が休みの日に昼寝をしており、

 

ふと目を覚ますと部屋の中に見知らぬおじさんがいたそうです。

 

始めは親戚かおじさんか何かだと思ったけど、

 

起き上がろうとしても金縛りで動けない。

 

 

 

前田はこの時点でおじさんが幽霊だとわかったと言っていました。

 

 

 

すると、おじさんが少しづつこっちに近づいてきました

 

 

よく見るとおじさんは手に新聞を持っており

 

 

ゆっくりと新聞を丸めて棒を作ると、

 

 

 

 

 

突然前田を丸めた新聞紙で殴り始めたと言うのです。

それももうめった打ちです。

 

 

参考(ロックマンX4 ゼロ)

 

 

 

 

体の自由がきかないままボコボコにされ続け

いつしか前田は意識を失いました。

(本人はあほなので「痛くなかったから多分もう一回寝たんだと思う」と言っていました)

 

 

目を覚ますと、おじさんはいなくなっていたそうです。

 

 

 

僕たちは想像を超える怪奇現象に圧倒されていましたが、

 

 

続けて前田が

 

「1つだけ怖いことがある」

 

と深刻そうに言い出しました。

 

 

全部怖いのに何かと思えば

 

 

 

 

「ウチは琉球新報なのにおじさんが持ってた新聞は沖縄タイムスだった」

 

 

 

 

と言うのです。

 

 

 

それをオチにするお前の感性が怖いわ

 

 

 

急に怖さが薄れみんな笑ってましたね。

 

話の組み立て方って大事なんだなと思いました。

 

 

 

 

幽霊話系って結局

 

 

 

お前だー!

 

 

 

が最強の気がします。

 

 

 

 

あれから10年以上経ち、

前田は墓地を見下ろす家を離れ県外で一人暮らしをしています。

 

 

こないだ久しぶりに会いましたが、

 

「あれから新聞取ってないからもう殴られないぜ」

 

となぜか嬉しそうに話していました。

 

 

 

 

電子版にすれば?

 

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